プリン体とは何か!?
痛風の原因といわれるプリン体ですが、どのようなものなのか、 まずはその実態を押さえておきたいと思います。
春から夏にかけて、痛風を発症する中高年のおもに男性が多いですが、 この痛風という病気は血液中の尿酸が増加されることにより、 排出がうまくいかずに滞留してしまうことで起きます。
尿酸が結晶化して針のように尖り、関節などに付着してしまいます。
すると激痛が生じます。
女性に痛風が少ないのは、女性ホルモンが尿酸を積極的に排出するからです。
そして、この尿酸を作り出すのがプリン体なのです。
プリン体は、食物の中にも含まれますが、人間の体内にも存在します。
尿酸はプリン体から出来た老廃物ですが、ただ悪役というわけではなく尿酸が、 老化予防や癌の原因となる活性酸素の働きを抑えるとも言われています。
まだ研究の途上ですが、人間の寿命とも関わり合いがある可能性があり、 尿酸は全くの悪役とも言い切れないのです。
しかし過剰に尿酸が増えると、痛風になり風が吹いても痛いというような、 激しい痛みを抱えなくてはいけません。
尿酸値を抑えて、痛風にならないように努めたいものですね。
そこで関心を集めているのが、乳酸菌の存在なのです。
尿酸値の上昇を乳酸菌で抑える
痛風の原因は食物に含まれたプリン体が、尿酸に変化することで関節などに蓄積して激痛をもたらすものですが、 乳酸菌がプリン体に作用し、血清尿酸値の上昇を抑制することが分かりました。
この臨床実験は、東京女子医大膠原病リウマチ痛風センター所長の山中寿教授が実施しました。
痛風と高尿酸血症の患者を2グループに分けて、乳酸菌を含むヨーグルトを1日2回8週間摂取して経過をみたところ、 乳酸菌を含むヨーグルトを摂取したグループで、明らかに尿酸値が抑制されるという結果が出ました。
乳酸菌がプリン体を分解すると共に、乳酸菌自体の栄養として消費することから、 プリン体が減少することがわかりました。
痛風の治療は厳しい食事療法が課せられます。
美味しいものにはプリン体が多く含まれているので、 こうしたものを食べられないのはストレスになります。
とくに痛風患者は古来から、美食家が多いのも事実です。
中性のヨーロッパでは特権階級の貴族や王族がこぞって、痛風に罹患したほどです。
そんな美食家が食事制限を課せられると、精神的に弱ってしまい自律神経にも乱れが生じてしまいます。
こうしたストレスの軽減にも乳酸菌は一役買います。
乳酸菌の含まれる食品を効率よく節度を守り摂取することで、 痛風が予防できるのですから、素晴らしい研究成果でした。
プリン体を多く含む食べ物、少ない食べ物
痛風になる前に、美食家には自制しながらの食生活を課さなくてはなりませんね。
自分に厳しくしなくては、痛風になってからでは遅いからです。
ここでは、痛風患者や予備軍に控えて欲しい、プリン体が多く含まれた食べ物を紹介します。
豚レバー、牛レバー、鰹、大正エビ、オキアミ、さんまの干物、あじの干物、 干し椎茸、鶏レバー、鰹節、ビール、クロレラ、ローヤルゼリー
悲しい現実ですが、プリン体は旨味成分そのものなので、 美味しいもの味わい深いものに多く含まれていることが分かると思います。
旨味成分があるからこそ料理の味に深みが出るのに、こうして列挙すると落胆しかありませんね。
しかし完全に食べるなというわけではありませんので、極端に思わなくても大丈夫です。
次にプリン体が極めて少ない食べ物を紹介します。
意識して少ないものを食べる事で、生活を正しい方向に向かわせて行きましょう。
プリン体を増やさないことが痛風を遠ざける近道なのです。
玄米、白米、胚芽米、小麦粉、卵、牛乳、チーズ、もやし、オクラ、豆腐、豆乳、おから、枝豆
やはりですが、乳酸菌を含む発酵食品が含まれます。
それ以外にもヘルシーな食材が並びます。
味気ないかもしれませんが、工夫次第では美味しくいただけますので痛風予防のために頑張ってください。
明治が開発したプリン体対策のヨーグルト
プリン体を分解する、プリン体と戦うことをテーマとしたヨーグルトが明治から発売されています。
このヨーグルトは、乳酸菌PA-3株を使っています。
乳酸菌PA-3株はプリン体に直接作用する新しい可能性を秘めた乳酸菌です。
まず、プリン体を分解し乳酸菌がその分解したプリン体を自分の栄養素にします。
そして最終的にはプリン体の増殖を抑制するそうです。
明治プロビオヨーグルトPA-3
主要栄養成分は、1個112gあたりエネルギー87kcal、たんぱく質 4.2g、脂質 2.7g、炭水化物 11.5g、ナトリウム 54mg、カルシウム 150mg
価格は店頭により違いますが、178円前後です。
プリン体を抑制することに特化したヨーグルトは業界初のようですから、 興味のある人は食べてみてください。
ターゲットは中高年の男性のようです。
ビールを飲みすぎた翌日の朝などに、良いかもしれません。
味はさっぱりめです。